12/1
和田隆博さんは、大阪で児童養護施設の子どもたちに、
「子どもデザイン教室」を開催されています。
和田さんは、もともとグラフィックデザイナー。
「親と暮らせない子どもたち」に寄り添い、自らも里親になっています。
施設の子どもたちは、自分に自信を持てない、
将来の夢も持ちにくい、心の状態です。
そうした子どもたちに、デザインの力を使って「自己肯定感」や「私にもできる!」
といった経験をさせたいと教室の活動を続けられています。
例えば、自分たちでデザインしたグッズを作り、
さまざまなイベントで自分たちで販売!!
お客さんとコミュニケーションを取り、
購入してもらう喜びを体験させています。
http://www.c0d0e.com
今年になって、里親からさらに「子どもたちの人生そのものをデザイン」する、
ファミリーホームの運営を始められました。
ファミリーホームは、24時間、365日の仕事?です。
安心して「お父さん」と呼べる人と
一緒に暮らせる家を和田さんは提供されています。
そうしたデザイン思考の活動をされています。
頭が下がります。
7/25
グランプリは、清水真介さんの震災アーカイブデザインでした。
僕は、復興支援のために50回以上東北には通っています。
様々な地域で震災を忘れないためにアーカイブが作られていましたが、
機能しているデザインに出会ってませんでした。
清水さんの昔のLPレコードのジャケット型のアーカイブは、
写真やコピーそしてインデックスからも検索できる仕組みになってます。
検索している時に震災の記憶が写真やコピーを通して視覚に飛び込んできます。
アナログの良さを最大限活かしたデザインが魅力的でした!
岩手ADCでは、既にベテランと若手が良きライバルとなって活気づいてました!
運営の皆さんお疲れさまでした~☺
4/5
2年の準備期間。2020東京オリンピックに向けて
「PEACE ORIZURU」始まりました!
本日、東京オリンピックパラリンピック組織委員会の
虎ノ門ヒルズで記者発表でした。
永井一史、並河進、福島治は、
ボランティアクリエイティブチームとしてご挨拶しました。
皆さん、オリンピック休戦を知ってますか?
一言で伝えると、平和でなければオリンピックもパラリンピックも開催できない。
平和の大切さを忘れずにスポーツの祭典を開催しましょう。
アクションとしては、世界中の人にPEACE ORIZURUを折ってもらい、
平和のメッセージを書き込んでオンライン、オフラインで投稿、参加してもらいます。
これから様々なクリエイターや著名人、アスリートに協力してもらいながら、
ユニセフと組織委員会が共同して、プロジェクトを拡散して行きます。
そのお手伝いを全力で行います!
2020東京大会は見るだけでなく、皆が参加することができるプロジェクトです!!
3/17
仲間と1年かけて準備してきた「JAGDAつながりの展覧会」オープニングを迎えました!
トークイベントでは、パラリンピアンズ協会会長の河合純一さん
(なんとメダル21個のレジェンド)の挨拶や人柄に惚れ込みました~
障がいのあるアーティスト、ウルシマトモコさん、カミジョウミカさんにも
トークに参加して頂きました。
僕は二人のファンなので、お会いできて幸せ。
二人ともアートと同じくとてもチャーミングで、ますますファンになりました。
この展覧会の動画制作をプロボノで行って頂いたTYOの皆さん、
マスキングテープmt.のカモイさん、エイブルアート、
マスキングテープアーティストの西村さん、親友の繁田、
JAGDAの大迫事務局長、工藤さん始めとするスタッフ、
そして、そして、JAGDAの仲間たちに感謝です。
デザイン、最高です。
デザイナーになれて幸せものです!
障がいのあるアーティストとパラリンピアンを支援する、
チャリティ・マスキングテープです。
買って応援よろしくお願いいたします!
12/14
北国は雪景色です。
おいしい東北パッケージデザイン展の
表彰式とフォーラムのために仙台に来ています。
4年目を迎えたプロジェクトもデザイン界では、賛否両論。
デザインを無償に近い価格で提供するのは、
デザインの価値をおとしめている!とお叱りの声。
それはごもっともな意見。
僕は10年後のデザインの価値を高めるために
このプロジェクトを立ち上げました。
効き目のあるデザインを目利きの審査員が選び、商品化する。
ヒット商品がたくさん生まれれば、ローカルのメーカーで噂話が広がる。
デザイン替えたらどんどん商品が売れたらしい!
なになに、パッケージデザインをちゃんとしたデザイナーに依頼すれば、
デザイン料の100倍儲かったとなれば、
デザインの価値を社会が認めて、デザイナーの価値が上がると考えています。
ローカルデザインの質が上がれば、ローカルメーカーが元気になり、
地域の元気が取り戻せる! それを実現するために活動してます。
全作品が実用化されることを祈ってます。
スパイラルで開催されている“アウトサイダーアートと現代アート、22の異世界をめぐるアート体験”を見てきました。
メディアで紹介されたこともあって、大変な賑わいでした。2020年に向かってこうした展覧会はさらに増えると思います。
僕は、障害のあるアーチストが社会的な認知をされた後のことを想像して活動をしています。
社会的な評価を得るアーチストはごくごくわずかです。
できる限り多くのアート活動をされている方と福祉作業所の仕事を結びつける事業モデルを成功させて、社会的に評価と収入支援や福祉作業所の工賃アップを目指したいと思います。
一般の社会でもアートはビジネスとしても成り立っており、さまざまな仕事を生み出しています。
アウトサイダーアートだけが、面白がられるのではなく、一人ひとりの作家の生き甲斐につなげ、それが障害のある方々の働き方改革にもつながる事業モデルを構築したいと考えています。
障がいのあるアーチストの作品を
海外のアート市場で正当な評価を得る
闘いと挑戦の記録が届く!
大阪のアトリエインカーブは、
尊敬する今中博之さんの主催する通所型のアトリエである。
僕も障がいのあるアーチストの作品の素晴らしさに感動して支援活動を始めた。
日本のアート界は、こうした方々の生み出した作品を
福祉の世界とレッテルを貼って、正当な評価をしていない。
勇気を持って、福祉の世界を離れて海外のアート市場に
通常のアートとして価値を問う挑戦を行われている。
今中さん曰く、アート界のイチローを生み出せば
、障がいのあるアーチストの作品を障がい者の色眼鏡を外させてちゃんとした
評価をしてくれるし、世間の色眼鏡も外す事ができる!
「山高ければ裾野広し!」の考えで海外のアート市場に挑戦を続けている。
しかし、1回アートフェアに出展するだけで数百万円の費用がかかるし、
優秀なスタッフも必要。これを繰り返さなければならない。
大変な挑戦を行っている。
少しずつ、評価が生まれているが、まだまだ時間がかかる闘いである。
今中さんは「アートフェアは、アトリエインカーブに希望をくれました。
同時に落胆もくれました。いま福祉に必要なのは市場への挑戦です。」
と言っている。
僕はアートビリティ+というブランドを立ち上げて、
別のアプローチから市場への挑戦を行っている。
失敗が出来ない挑戦なので、焦らず、一歩ずつ前に進めて行きたい。
ある程度の結果が出るまでには、最低5年はかかりそうです。
福祉の世界から離脱しなければ、
いつまでたっても作家の正当な評価や収入には結び付かないと考える。
アトリエインカーブの挑戦から学ばせてもらい、同時に応援の拍手を送りたい!
3/4
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ミッドタウンデザインHUBで、
「おいしい東北パッケージデザイン展」がスタートしました。
今日は、オープニングのトークイベントの司会を担当!
全国から集まった受賞者とお祝いの飲み会で盛り上がりました。
6月9日、東京造形大学グラフィックデザイン学科に押しかけ出前講義にお伺いしました。7年前にソーシャルデザインをライフワークと決めたものの、何から始めて良いのか途方にくれました。気負わず、小さなことから始めれば良いのだと気づき、2つの小さなアクションからスタートしました。1つは以前から知っていたハンディキャップアーチストの支援団体に通い、お手伝い出来ることを見模索する。もう1つが、ソーシャルデザインの必要性と可能性をデザインを学ぶ若者に伝える「押しかけ出前講義」でした。
スタートした当初は、自分が実行したプロジェクトもなく、世界的な事例等を紹介することしか出来ませんでしたが、今年は、全て自分の行ったプロジェクトで講義を行うことが出来ました。やっと自分自身の言葉として学生にリアリティのあるメッセージを伝えられるようになれました。1年目からこうした機会を与えてくださっている福田秀之教授に感謝です!
社会的な問題をビジネス的な手法を使いながら解決していくことが、6年間のソーシャルデザイン活動から導きだした理想的な方法です。それを実際に行うチャレンジが、一般財団法人「森から海へ」です。オーガニックコットンを日本に根付かせた立役者の渡邊智恵子さんが代表となり、僕はブランディングデイレクター、理事として参加しています。
近年異常に増えすぎた鹿により日本の森は食いつくされています。その事により、森の循環が崩れて危機的な状況になっています。鹿は害獣として駆除されていますが、その場に放置されていることが殆どです。命を大切に扱い、森の循環を取り戻すために、駆除された鹿の肉を使ったペットフードビジネスを立ち上げました。今日は鹿害の実態を視察にチームメンバーと長野県川上村におじゃましています。想像していた以上に森が大変なことになっていました。
昨年夏にコンペティションで勝ち取った映像制作が半年がかりでやっと完成しました。依頼主である東京都から正式に発表になりました。僕たちは、石川淳哉プロデューサーを始め被災地支援に人生をなげうって続けてきた筋金入りのクリエイターでチームを作りました。
予算を度外視して、東北の方たちの気持ちを代弁できる映像を一生懸命に目指しました。被災地の方々1000人に出演協力していただきました。中でも30隻の漁船団が大量の万国旗を掲げて海原を疾走するシーンは鳥肌がたちます。
この大漁旗を万国旗に替えて、世界中の支援に対する感謝の気持ちを表すアイデアは僕が考えたものです。2020年に東京に来た方々が、東北に足を運ぶカンフル剤になることを願っています。2020年。東京と東北で会いましょう!
デザインの力で東北の小さなメーカーを応援する、JAGDAおいしい東北パッケージプロジェクトも2年目になりました。
今日から、東京ミッドタウン・デザインパブで、東北を支援するために応募されたデザインの入賞、入選作品の展覧会がスタートしました。
初日の今日は、昨年優秀賞に選ばれて商品化されたデザイナーを招いてのオープニングトークを開催しました。
僕はプロジェクトリーダーとして司会進行を務めました。商品化への苦労話やパッケージが新しくなったことで売れているのかなど、さまざまな角度や視点からプロジェクトを検証しました。
トークでは、デザイナーは東北支援として殆んど無償でデザインを提供しているのですが、その価値や気持ちを理解していないメーカーもあったりとビジネスに寄り添うことの難しさも浮き彫りになりました。プロジェクトは、3年目も継続する予定です。
子どもたちにデザイナーの仕事の魅力を伝えるシリーズが六耀社から出版されました。第1弾は、グラフィックデザイナーとファッションデザイナー、フラワーデザイナーです。
グラフィックデザイナーは、4つの領域に分けて具体的に紹介してもらいました。
4つの領域の中に、ソーシャルデザインを入れて頂けたことが画期的です!
デザインとは「人類が生きるための知恵」と僕は思っています。決して資本主義経済を加速させるための道具ではないと考えます。ソーシャルデザインは、デザイン本来の役割を問い直し、具体的に提示するデザインです。
この本がデザイン業界ではなく、ふつうの子どもたちに読んでもらえる本であることが嬉しいです‼
秋にNHKから正月特番の制作相談がありました。大船渡で地元の子どもたちと一緒に巨大アートを制作して、被災地からのメッセージを発信して欲しいと言われました。
僕のデザイン学科の卒業生に大船渡出身で、大船渡支援プロジェクトを立ち上げ活動を続けている女の子がいます。現在、芸大の院生としてデザインの勉強を続けている千葉さんと大船渡の子どもたちが一緒にビッグアートを作る提案をしたところすぐにOKがでました。
千葉さんは、ふるさとに通いつめて、地元で採れるホタテや牡蠣の貝殻を使って素晴らしい巨大アートの設計をしてくれました。僕も暮れから千葉家に泊まり込み、元旦のアート制作のサポートをしました。当日は初日の出が美しいかった~
これまで自分の資産を注ぎ込んで活動してきたソーシャルプロジェクトですが、やっと少しずつ仕事に繋がってきました。
三越伊勢丹グループが独自に行っている復興支援チャリティー「どんぐりバッチ」キャンペーンのデザインを担当しました。
今年のバッチのキャラクターは、森のいきものたちをテーマに、たくさんの絵本を描き高い評価を得ている仁科幸子さんにお願いしました。ソーシャルデザインが仕事にも繋がっている理想的なお仕事でした。
震災からずっとさまざまな被災地支援プロジェクトを行ってきました。今年の3月11日は、このどんぐりバッチキャンペーンとJAGDAおいしい東北パッケージ展、GIFTHOPEの3つの活動を行っています。
独創的な演奏のotsuto&orabuや感動的な洋服のNUIプロジェクトなど多彩なアート活動を生み出している鹿児島市のしょうぶ学園にお伺いしました。
僕が知る限り、日本で最も障がい者のアート活動を成功させている施設です。広々とした敷地には、木工製品、陶芸、絵画などの独立した本格的な工房、二軒のレストランがあります。
所長の福森伸さんが丁寧に案内してくださりました。ここから素晴らしいモノが生まれるのは、福森さんのプロデューサーとしてのばつぐんのセンス。それから細やかな観察力や職員が担当部署のエキスパートだからだと理解できました。しょうぶ学園の取り組みをシステム化すれば、創造的な就労支援を全国的に広げられると思いました。
3月1日、大阪で障がい者アート支援の中心として活躍されている、アトリエインカーブの今中さんに会いに行ってきました。大阪府のお手伝いをするためには、しっかりと勉強していかなければ無責任になるので自腹での大阪出張。今中さんにお会いしてじっくりお話しを伺いました。
次の日はちょうど、プロジェクトの障がい者アート公募展「現代アートの世界に輝く新星発掘展」が開催中なので、梅田スカイビルに見学。公募展は4年行われて、魅力的な作品もあるのに展示で終わってしまっていて、就労支援に繋がっていない事が最大の問題てあることが理解できました。就労支援は僕にとっても重要なライフワーク。登る山は高くてまだまだ頂上は見えませんが、諦めず、一歩一歩前に!
デザインによる地域活性化は、僕にとっても重要なテーマです。長野県飯綱町に本社のあるサンクゼールは、ワインと食品のメーカーでレストランや販売所を全国28箇所に持っています。農林水産省からも、6次産業化への見本となる企業として高く評価されています。
久世社長と息子さんにお話を伺いにサンクゼールの丘に行ってきました。多忙な方々なのに、半日も時間を空けて丁寧にもてなしてくださいました。感激でした。
フランスの田舎にでも旅をしたようなサンクゼールの美しいぶどう畑や建物に驚きました。フランスの風景の美しさや文化を長野に再現されていました。その企業努力もさることながら、会社を家族として考えて経営をされているところに感動しました。キリスト教の教えを社員との絆づくりに活かされ、長野県の働きたい企業ベスト3にも選ばれているそうです。
新しく始めた地域の食文化を発掘、販売するセレクトショップ「久世福商店」も反響が大きく、全国に次々とお店がオープンしています。
10月9日に東北のハンディキャップアーティストを支援する「るんびにぃ美術館」にお伺いしました。岩手県花巻市にある「るんびにぃ美術館」は障がい者のアトリエやレストラン、作品展示の美術館を運営されています。又、東北で活動されているハンディキャップアーティストのサポートも行なっています。
銀座通りのイルミネーションは、東日本大震災への支援の目的で開催されています。今年は銀座四丁目交差点の工事の仮囲いもその一貫として使用することになりました。
クライアントである銀座の商店街は、東北在住のハンディキャップアーティストの作品を使用する僕の提案を高く評価してくださいました。ここ5年間障がい者アートを支援してきたので、日本で一番有名な交差点にハンディキャップアーティストの作品が展示されることに決まって本当に感激です!
8月19日から23日迄の日程で、中国湖北省にある恩施市に行って来ました。JAGDAの活動を伝えるために事務局長の大迫さんと一緒に゛2014年第13回中国広告教育年会および広告と国際文化会議゛(長い?)に参加しました。中国全土から広告を中心とした教育者が集まる会議で「ソーシャルデザイン」について講演をしました。
飛行機、新幹線を乗り継ぎ、急激な発展を遂げる都市を幾つも見ながら、1日半かけて恩施市まで行きました。物凄い都市開発のスピードとスケールに圧倒されました。
ソーシャルデザインも常に「世界」を意識して活動、妄想しなければ駄目だなぁと痛感しました。中国で出会った方は、皆さん素晴らしいもてなしをしてくださいました。謝謝!
夏の日差しが照りつける8月7日に宮城県女川町に行って来ました。今も海岸沿いのJRの線路が分断されているため、内陸部を迂回し、何度も列車を乗り換えながら女川町に辿り着きました。これ迄殆どの被災地にお伺いしていますが、女川町は初めての訪問です。高台に立つと、町は跡形もなく消えていて、現在は大規模な復興工事が急ピッチで進められていました。
みなとまちセラミカ工房は、小高い丘の上にある復興商店街の一角で活動をされています。代表の阿部さんが中心になって、被災した陶芸サークル仲間と立ち上げたNPOです。自分達でデザイン、制作した色鮮やかな女川スペインタイルで、新しく生まれる女川町に彩りを与えるために活動をされています。
浅葉克己さん主催の勉強会「Zuan図案」は、名門の神奈川工業高等学校OBが、中心になって開催しているデザインの勉強会です。8月2日に青山学院アスタジオを借りて、二時間たっぷりソーシャルデザインのお話しをさせていただきました。
これ迄ソーシャルデザインの話しは、長くて90分でしたが、今回は120分バージョンをつくりました。話し終わってみて、全ての思いを伝えるには3時間は必要だと感じました。まあ、そんなに長い話しを聞きたい人もいないと思いますが…。
この講演会で、ソーシャルデザインに興味を持っている新しい方との出会いがありました。お世話をしてくださった、「Zuan図案」の吉田さん、栗林さんありがとうございました!
大阪のdddギャラリーでの展覧会も7月31日で無事に終了しました。30日には作品を直接見ていただきながら解説するギャラリートークも開催していただきました。
大阪で愛されてきたdddは、僕の個展が最後の展覧会になりました。ギャラリーは場所を京都太秦に移して、秋に新しくオープンします。
最終日は個展とギャラリーのフェアウェルパーティーが開催されて、たくさんの方が会場にいらっしゃいました。ギャラリーからのサプライズで、個展のビジュアルであるピンクのドクロケーキが登場して感激!ちょうどドクロも涙を流していたので、その涙は感謝の涙になってました。
gggギャラリー、ddd ギャラリーで個展を開催していただくのは、グラフィックデザイナーの夢です。本当にありがとうございました!
東京のgggギャラリーに続いて、大阪のdddギャラリーで、6月27日から7月31日まで「明日のデザインと福島 治が開催されました。東京のdddでは展示出来なかったGIFTHOPEで生み出された、チャリティTシャツを30枚展示して、会場でも直接デザイン投稿をしてもらえるようにしました。
7月1日には、三木 健さんをゲストに招いてトークショウを行いました。三木さんの提案で、話したことを可視化して見せるために、巨大なロール紙と黒板を合体させたような装置をギャラリーに制作してもらいました。
三木さんの人気で沢山の人に来ていただけ、デザイナーの増永さん達にも飛び入りで参加してもらったりして、楽しいトークショウになりました。大阪の展覧会でも大切な出会いが沢山ありました。
記念すべき第1回のGIFTHOPE LUNCH !を6月14日に開催しました。GIFTHOPEは単なるTシャツのチャリティ販売サイトではなく、皆でデザインにおける社会貢献の可能性を考えたり、行動したりするきっかけを生み出す広場を目指しています。
9人の方々が参加してくださり、LUNCHを食べながら、GIFTHOPEを進化させるための色々な提案やアドバイスを話してくださいました。皆さんからの提案で、GIFTHOPE CLUBというコミュニティを作ることになりました。
毎月コツコツとプロジェクトを継続させているので、共感してくださる方と会えたことはとても励みになりました。参加してくださった方に感謝です。
4月29日から、JAGDA神奈川のメンバーにより、「ことばのハンカチ展」が開催され、オープニングのトークショウに参加させて頂きました。会場の横浜都市創造センターは、地下鉄駅の真上にあり、会場もとても広い素晴らしいスペースです。オープニングには、勝井三雄先生も駆けつけてくださり、メンバーは大喜びでした。
トークショウは、朝ドラ主演の女優・渡辺梓さん、エッセイスト・神崎桃子さんの二人の美人と一緒で「デザインのトークショウでこうしたシチュエーションは、なかなかないぞ〜」と鼻の下を長くしてました。
昨年に引き続き、素敵なチャリティ展覧会を開催してくださった、満島さん、うしさん、渡邊さんなど、神奈川のメンバーに感謝です。
GIFTHOPE、次の支援先となる桜ライン311の代表・岡本翔馬さんに会いに行って来ました。3年たった現在も陸前高田市は、見渡す限り荒涼とした土地が広がっています。復興にはまだ、相当な時間がかかることを被災地に伺うたびに感じます。
代表の岡本さんは震災の時には、東京でデザインの勉強をしていました。しかし、故郷の被害の大きさを目の当たりにして、自分の人生を陸前高田市の復興にかけることを決意したそうです。
津波到達点を後世に残すために、17000本の桜を10m間隔で植えて、170キロにも及ぶ防災ラインを作る活動が「桜ライン311」です。美しい桜並木は市民に安らぎを与え、津波が襲ってきた際には、そこより高台に避難すれば安全である目印になります。桜なら数百年後も、陸前高田を守ることができます。
ギンザ・グラフィック・ギャラリーで永井一史さん、並河進さんをお招きしてトークショーを行いました。三人は、3年前に被災地支援プロジェクト「ユニセフ・祈りのツリープロジェクト」を立ち上げました。プロジェクトの企画から実施に至るまで、数えきれないほどクリエイティブを有効に使った社会貢献のありかたを話し合ってきた仲です。
二人を招いたのは、三人の行なってきた様々なカタチのソーシャルプロジェクトを見てもらうことで、その多様性を知ってもらいたいと考えたからです。
トークショウの目的は、どのようにしてクリエイティブやデザインの力を活かしながら、社会貢献に結びつければ良いのか悩んでいる人に「な〜んだ、そうすれば良いのか。」と言ってもらいたかったからです。
3月6日から31日まで、ggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)で、「明日のデザインと福島治」Social Design & Posterが開催されました。gggはグラフィックデザイナーにとって特別な場所です。展示の説明文1つとっても、文字を美しくレイアウトしていないと笑われてしまうので、プレッシャーが大変でした。
新しく立ち上げたソーシャルプロジェクト、GIFTHOPEのフルオープンも同時進行でした。僕の処理能力を少し超えていて、間に合うかどうかと冷や汗ものでした。1階はこの3年間に手探りで生み出してきたソーシャルプロジェクトの紹介。地下は宣伝美術を25年間担当してきた劇団山の手事情社のポスターで埋めつくしました。
1階は参加型にしたかったので、JAGDA被災地からの「ことばのハンカチ」は、全作品をチャリティ販売しました。GIFTHOPEはギャラリーのバックアップがあって、その場でデザインを投稿できる特設サイトも立ち上げていただきました。
最終的な入場者は4220人。プロジェクトへの投稿は136点。ハンカチのチャリティ販売は398枚でした。
オープニングには、永井一正先生、浅葉克己師匠、勝井三雄先生ななども来てくださりました。そして、広島からお母ちゃんや親戚も駆けつけてくれて、一生忘れられない展覧会になりました。感謝、感謝です。
昨年暮れにIKEAのワークショップで知り合ったこども国連大学の井澤さんより、鎌倉で2泊3日のワークショップを開催するために、インフォグラフィックスを使ったお手伝いを頼まれました。
3日間に渡り鎌倉をテーマとした、さまざまなワークショップが行われました。鎌倉市長もスピーカーとして登壇、僕の著書でも紹介した面白法人カヤックの柳沢さんも来られて、豪華な顔ぶれのワークショップでした。
中でもユニークだったのは、民主党政権で一躍有名になった、「事業仕分け」を実際に行うワークショップでした。事業仕分けはもともと、構想日本が客観的な視点で、税金が正しく使われているのかを考える極めて良識的な活動でした。実際に鎌倉市の職員や構想日本の方も加わり、かなり本格的な模擬事業仕分けのワークショップでした。税金の使われ方に関して、新しい視点から考えることができたので、僕にとっても凄く勉強になりました。
参加者は、大学生が中心でしたが、泊まりがけだけあり、みんなモチベーションが高く、深い学びがありました。さすがに体育系の僕は、ちょいと疲れてしまい、次の日に知恵熱が出てしまいました。
今年で三回目となる「ソーシャルデザイン」の可能性について、永井一史さんと祈りのツリープロジェクトやそれぞれが行なっているソーシャルデザインやプロジェクトの話を2時間に渡って熱く語りました。
毎回思い出すのが、「広告批評」の生みの親である天野祐吉さんのことです。35年前の僕は、コピーライター養成講座の受講生でした。天野さんは広告が文化として認めてもらうためには、批評の場が必要である。音楽にしてもアートにしてもちゃんと批評家がいるからこそ、客観的な議論が成され、文化として深まっていくのだと話されました。
僕は私財を投じて、雑誌「広告批評」を出版した。今、お店に置いてもらうために、風呂敷に広告批評を入れて、書店をまわっているんだと熱く語られた。この人は、人生をかけた事業を行なっていると感じて鳥肌がたった!僕もそんなふうに熱い生き方がしたいと憧れた。
デザインの力を使った新しいカタチの寄付サイト「GIFTHOPE」が、3月1日にフルオープンしました。デザインされた商品価格の30%が寄付になります。
3ヶ月以上をかけて、サイトのデザインやシステムを仙台のメンバーと進めてきました。スマホでも見やすくするためのレシポンシブルデザインや国際的なプロジェクトに広げるための仕組み等、僕自身もなれないサイト制作に苦労の連続で、ギリギリ間に合わせることができました。仙台のシステムチームは本当に頑張ってくれました。
今月のチャリティTシャツの支援先は、放射能の心配ないところで、こどもたちのサマーキャンプを実施している「南相馬こどものつばさ」です。
今月の投稿デザインのテーマは、家畜の全頭殺処分指示のあった浪江町で、牛たちを生かし続けて、命の尊さを訴える「希望の牧場・福島」です。
デザインを購入してもらえなければ、寄付にも繋がらないので、広報努力をしなければ〜!
昨年の10月にミッドタウンで開催された「東京デザイン2020オープンセッション」での提案が興味深いと、雑誌・事業構想3月号に取り上げてもらいました。
このオープンセッションは、2020に開催される東京オリンピックに対して、日本を代表する20人のデザイナーからの提案です。永井一正、深澤直人、原研哉、松井龍哉などそうそうたるメンバーに僕も加えてもらいました。
僕の提案は、日本人は世界に対して東日本大震災のお礼をしなければならない。それを次の東京オリンピック・パラリンピックで行うことの提案でした。オリンピックの選手に比べて、パラリンピックの選手は、強化費用どころか参加費用を集めるのも苦労されてます。パラリンピックの全選手約6000人を大会が終わった後に、無料で日本の観光に招待する「おもてなし」をしましょうと話しました。
最後に勢い余って、僕1人でもプロジェクトを立ち上げて、それを実現させると言ってしまいました。今の僕では難しいけど、3年後の僕ならできそう。その後の3年を使って、プロジェクトを実施すれば、きっとできるはず!
JAGDAやさしいハンカチPart2は、被災地の小学生の描いた絵をデザイナーがハンカチにして、全国でチャリティ販売をしました。
その結果、4つの小学校に125万円ずつの寄付金が生まれました。JAGDA岩手の小笠原さん、竹村さんが中心になって、こどもたちと使い道を決めてくれました。2月12日、13日に大槌小学校の六年生は、体育館全部を使った「お祭り広場」を開催して、下級生、隣の幼稚園児、先生全員、登下校でお世話になっているボランティアの町の方々など総勢600名を招いておもてなししました。笑顔と歓声の溢れる1日を生み出してくれました。
大槌は、大きな津波被害をうけた地域です。復興はまだまだ、始まったばかりです。しかし、体育館の中だけは2日間だけでしたが、周りとは別世界の賑やかさで、楽しいお祭り広場になっていました。
デザインの力を使った新しいカタチの寄付サイト「GIFTHOPE」が1月27日にスタートしました。
2013年5月にオーガニックコットンのトークショウで、舘内さんから立ち上げたNPOの寄付サイトが上手く機能していないので、力を貸してほしいと相談されました。それから、数えきれないほど仙台と東京でミーティングを重ねました。
最初は現在のシステムを改良することを考えていましたが、三菱財団の助成金を得ることが出来て、プロジェクトをゼロから構築することにしました。GIFTHOPEの名前とミッションは残して、新しくデザインの力を中心にした寄付サイトを考えました。
世界中のクリエイターから、支援するNPOの活動イメージをデザインにして投稿してもらいます。それをGIFTHOPEが商品化して、サイトで1ヶ月限定のチャリティ販売を行います。販売価格の30%を支援先に寄付、10%をデザイナーに支払うシステムにしました。
とにかく、自立した活動組織を運営したいと考えていたので、その思いが現実になりました。しかし、GIFTHOPEは間違いなくソーシャルビジネスです。持続的な運営を可能にするためには、毎月1000枚以上商品を購入してもらう必要があります。これは、とてつもなく高いハードルです。とにかく、前を向いてチャレンジです!
デザインの力を使った復興支援プロジェクト、3年目のJAGDAやさしいハンカチ展は、復興商店街の方たちの今の気持をハンカチにデザインした「ことばのハンカチ展」です。
3年目が近づいた被災地は、津波対策がなかなか進まず、沿岸部は未だに荒涼とした風景が広がっています。
復興のシンボルでもある4つの復興商店街の方々に会いに行きました。今の気持をハンカチにして、1人でも多くの方に被災地に想いを馳せていただきたい。ハンカチを買っていただいて、復興商店街を元気にするための寄付に繋げたいと思いこの企画を考えました。
僕が担当したのは、原発の職員です。地震の当日は福島第二原発で働き、現在は福島第一原発で復旧に携わっている方です。いただいた言葉は「のみつかれ」でした。原発の是非を問う前に、「お疲れさまです」という言葉が浮かびました。
展覧会は、主要な新聞社全てに紹介され、NHKの朝の番組でも紹介されました。
11月30日、12月1日と三度目の祈りのツリープロジェクトで、気仙沼の復興商店街に行ってきました。気仙沼は被災地でも一番早く生まれた復興商店街です。2011年は、まだ津波で陸に運ばれた漁船が沢山あり、町の灯りどころか信号さえも消えたままの気仙沼でした。
これ迄にもボランティアツアーに参加して頂いた嬉しい顔も見える、20人の方と貸し切りバスで気仙沼に入りました。ようやく瓦礫は片づけられられましたが、沿岸部のかさ上げ工事はやっと始まったばかりで、復興はまだまだ先が長いと感じました。気仙沼を襲った8mの津波と同じ高さのポールが商店街の中に立っています。そのポールをボランティアと午前中に地元の子どもたちが作ってくれた、このプロジェクト特製のオーナメントで飾り付けました。
夕方、商店街の方と一緒に点灯式を行いました。今年はユーストリーム中継も実施して、僕の東京の家族も見てくれてたそうです。主要な新聞社も全社駆けつけてくださり、取材していただけました。
点灯の瞬間には大きな歓声があがり、ちょっぴり感動的でした。このプロジェクトを応援していただいている皆さんに感謝です!
デザインの力で、被災地の子どもたちに笑顔をプレゼントする、ユニセフ祈りのツリーproject は、3年目を迎えました。project はこれ迄に3000人を超えるクリエーター、美大生に参加してもらいました。昨年までは参加者同士が、顔を合わせることが少ない仕組みだったので、今年は目黒のHUB TOKYO・11月2日土曜日に集まって、ワイワイと一緒にオーナメント制作することにしました。
被災地への関心が薄くなってるこの頃ですが、100人近い方々が集まってくれました。プロジェクトの説明と報告から始まり、参加者同士の自己紹介をしてもらい、ユニセフのスタッフとボランティアの手作りランチを食べる頃には、会場には笑顔が溢れていました。午後からは、いよいよオーナメント制作。気仙沼の人に喜んでもらいたいといった思いから、いきなりみんな真剣モードでした。最後は笑顔の記念撮影でした。12月1日にはボランティアと一緒に、気仙沼復興屋台村にお伺いします!
ソーシャルデザインを継続させるのは、ホントに大変だけど、自分の欲望のためではなく、誰かのためを思って活動に参加してくれる方々に会うと、元気をもらいます。感謝です。
11月30日に東京ミッドタウンで「東京デザイン2020オープンセッション」20人のデザイナーが2020年の東京を語るが行われました。急遽開催になったオープンセッションでしたが、立ち見が出るほど盛況でした。それもそのはず、永井一正、勝井三雄、深澤直人、山中敏正、松井龍哉、原研哉、浅葉克己など凄い顔ぶれ。僕は、末席に加えて頂いた感じでした。それぞれの視点から2020年のオリンピックに対する提案をしました。
僕は、近代オリンピックにおける最も革新的な出来事は、オリンピックがオリンピック・パラリンピックになったことだと話しました。それは、特殊な能力を持った人々の大会から、世界中の様々な人々が参加し、喜びを分かち合う大会へと大きく舵を切ったことを示しています。
日本は世界に対して、東日本大震災のお礼をしなければなりません。例えば、参加費用にさえ苦労しているパラリンピックの代表選手を全員無料で日本観光に招待するなどの「おもてなし」することが出来たら、世界中から拍手が湧くはずだと提案しました。
僕は一人でもプロジェクトを立ち上げて、パラリンピックの選手を「おもてなし」しますと発言しました。以前から、東京の開催が決まったら、我々は何をしなければ成らないかを考えていました。
デザインの力を使って被災地支援、JAGDAハンカチ展は三年目になります。パート3は復興商店街の方々に、今の思いを伝えてもらう「被災地からの言葉のハンカチ展」です。
被災地3県を直接回って、アンケートのお願いをしてきました。岩手県は陸前高田の大隅つどいの丘商店街、未来商店街。宮城県は七ヶ浜の七の市商店街。福島県はいわき市の夜明け市場に協力していただきました。
商店街でお話を伺うと「3年目になっても被災地のことを忘れず、こうして来て頂き嬉しい」と皆さん話されます。アンケートには殆どの方が「感謝」「がんばるぞ」とポジティブな言葉でしたが、中にはまだまだ複雑な想いの言葉の方もあり、復興が進んでいない現状が現れていました。
僕がデザインを担当した方の言葉は「飲みつかれ」でしたが、被災した場所は、福島第二原発。現在の職場は、福島第一原発とその言葉の意味深さが胸を突き刺します。
パート3には、330人のデザイナーが参加してくれています。来年1月から全国のデパートなどで、チャリティの展示販売を行い、復興商店街にハンカチのプレゼントと利益の全てを寄付いたします。
今週は、富山県デザイン展、神奈川新聞広告賞、徳島県デザイン展と審査ウィークでした。10月6日に初めて徳島県に行きました。徳島での審査は公開審査でした。僕の後ろには、出品者の高校生がズラリと座っているし、横には大人の出品者が審査の行方を見つめています。こうした状況は嫌いではないので、出来る限り僕の審査基準やデザインとアートの違いなどを説明しながら審査を進めました。
作品を入れ替える時間を使って、僕自身はコンペで評価してもらえるまで10年近くかかったことなどを話して、落選した方にも次回頑張ってくださいと応援するコメントも挟みました。最高賞の県知事賞には、富山に続いてJAGDA会員の四十宮隆志さんに決まりました。JAGDA会員は全国何処に行っても意識が高くて素晴らしいです!
秋の富山は、お魚が最高に美味しかったです。10月2日に行われた富山県デザイン展の審査員は、僕と建築家の伊礼智さん、スタイリストの長山智美さんの三人でした。富山県は日本でも最も古くから、行政が地場産業とデザイナーをマッチングさせて魅力的な商品を開発している所です。全国的な広がりをみせている地域ADCの発祥も富山からでした。
審査の方は、最も優秀なデザインに与えられる「富山県知事賞」は友人の中山真由美さんが受賞しました。洋風落雁の商品開発からパッケージまでをトータルでデザイン。地場産業の良さを最大限に引き出した素晴らしい作品でした。その他の賞にもJAGDA会員が沢山選ばれていて、改めてJAGDA会員の水準の高さを認識しました。
9月19日にjagda被災地支援プロジェクトで、ハンカチのプレゼントと寄付金125万円の使い道のワークショップに行って来ました。福島県新地町は沿岸部が津波によって大きな被害を受けました。又、原発にも近く二重の苦しみの中で頑張っている地域です。
ハンカチプロジェクトで絵を描いてくれた小学校の子どもたちは、使い道を班ごとに発表してくれました。このプレゼンテーションが素晴らしく、しっかりしたイメージ図を描いていて、それを見せながらハキハキと発表してくれました。この日のためにスッゴク練習してきたのだろうなぁと、感心しました。
津波の被害を受けた場所が数年後に防災緑地になり、そこにあったらいいな!と思うもののプランを考えてくれました。最終的に先生方と話し合い、広場のネーミングと手作りの看板を設置するアイデアに決まりました。
事故のあった原発からは、汚染水が流れ出しているし、津波被害の場所も防災緑地が完成するのは、早くて3年後だそうです。被災地の復興はまだまだ始まったばかり、できる限りの支援活動を続けて行きたいと思います。
9月24日に電通ホールで、永井一史さん、並河進さんと「関係をデザインする」と言うテーマで、祈りのツリープロジェクトを中心に、広告代理店におけるソーシャルプロジェクトの可能性について話をしました。僕がなんとしても、デザインの力を使って、被災地支援プロジェクトを立ち上げたいと考えて、二人を尋ねて発起人になってもらいました。
二人はド素人の僕と違い、ソーシャルプロジェクトの大先輩です。プロジェクトを通して、二人から沢山の教えを受けました。二人に出会えて幸せです。
セミナーの最後に、約200人の電通グループのお客さんに並河さんが、「広告で社会を良くしたいと考えている人?」と質問したところ、三人の予想に反して、半分くらいの人がサッと手を挙げてくれました。けっこう感動的な光景でした。凄いぞ、デンツウ!
クリエイティブ311とは東日本大震災に対して、クリエイティブの力は何ができたのか?を検証する18回の連続セミナーです。僕は、3回目の担当、デザインの力を有効に使って企画、実施したプロジェクトの話をしました。
このセミナー、なんと参加費が5000円。じぇじぇ〜って値段なのですが、セミナーの後に用意された東北の食を楽しみながらの懇親会があり、更に助けあいジャパンへの復興支援金も入っているそうです。
主催者でもあり、広告業界で有名なプロデューサー石川淳哉さんに「僕は、5000円の価値のある仕組みにしているし、スピーカーを選んでいる。何より、その金額を払ってでも参加する意志を持っている人とセミナーを共有したい!」とキッパリ言われました。
うーん、さすが助けあいジャパンを僅か2年で、公益社団法人にした敏腕プロデューサーの言うことには、説得力がある。確かに参加された方々の眼差しも真剣だったし、質問にもリアリティがあり、答える僕もタジタジだった。
ほとんどの人はそろそろ被災地支援も終わりだと考えるが、僕はこれからがクリエイティブの力を発揮した新しいカタチの被災地支援を行う時だと思っている。そのために、幾つものプロジェクトの準備を進めている。
全国で展示販売してきたハンカチは、8500枚も売れて、寄付金も500万円を超えました。7月3日に福島からいわき市に避難生活をしている楢葉小学校に、ハンカチのプレゼントと寄付金の使い道を子どもたちと考えるワークショップに行って来ました。
自分の描いた絵をデザインした2種類のハンカチをプレゼントすると、じっとハンカチを見つめて、暫くするとみんな大興奮!笑顔が教室中に広がりました。続いては、寄付金の使い道。寄付額が125万円と聞いてみんなザワザワ!六年生が代表して、自分達で考えたプランを発表してくれました。その中から3つのプランに絞りました。[1]お化け屋敷を作って、みんなを楽しませたい。(そうだよね、楽しいと元気になるよね)[2]行事に使う楽器を購入して、震災後中止になっていた鼓笛隊を復活させる。(放射能で楽器を持って来れなかった)[3]学校の飼育小屋などの施設とウサギを飼う。(確かに、プレハブ仮設校舎には生き物がいないから寂しい)
先生と僕たちで話し合い、鼓笛隊の楽器が良いと考えて、それを皆に発表。すると教室はシーン!あれ〜っ?どうやら子どもたちは、お化け屋敷をやって盛り上がりたかったらしい。
鼓笛隊は、音楽で両親や地域の人に感動をプレゼント出来る。自分達が卒業したあとも後輩たちに繋ぐことが出来る。などの理由から、僕たちと先生とで緩やかに説得する。そしてもう一度、では鼓笛隊で良いですか?と先生が聞いても、まばらな拍手しかおきない。どうやら頭では理解できていても、心はすっかりお化け屋敷で興奮したがっているみたい。
うーん、子どもたちとのワークショップは面白い!これ迄学生相手に沢山のワークショップをやって来たが、こんなに揉めた事は初めて。ここで大人の論理で、無理に決めつけては絶対に良くないので、小学校の先生に任せて後日ゆっくり話しあって貰うことにする。
クリエイティブは決まった答えが用意されてないから面白い。ハンカチプロジェクトに参加してくれた残り3つの小学生たちは、どんな答えを出してくれるのか考えるとワクワクします。
ソーシャルデザインをライフワークと決めて始めた、押しかけ出前講義も3年目を迎えました。多摩美の教授であり、デザイナー仲間でもある澤田泰廣さんのお陰で、グラフィック科の三年生50人にお話させてもらいました。
3時間の講義は毎年二部構成にしていて、前半は[福島治の人生劇場]と題して、才能のない若者は夢を諦めなかったと言った内容です。笑いあり、涙ありの福島流デザイン訓練術を話しました。
後半は、講義の目的であるソーシャルデザインが、何故今の社会にとって大切なのかを実例を挙げながら話ました。3年前は無我夢中で講義してましたが、この2年の間に自分自身の企画したプロジェクトもカタチになり、沢山のソーシャルクリエーターとも出会えました。そんな訳で、今年の講義は何とか満足のいくものになった気がします。講義の後も何人かの学生と、更に詳しいソーシャルデザインの話を1時間以上しました。澤田さん毎年ありがとうございます。感謝、感謝です!
6月8日土曜日、JAGDA・石川のやさしいハンカチ展に行って来ました。1月から始まった被災地支援プロジェクト・やさしいハンカチ展も金沢ペーパーショーでのチャリティ展示販売が最後になります。金沢ペーパーショーは、巨大な施設を使ってのスケールの大きなイベントでした。ハンカチ展はその一角にあり、ゆったりと見ることができる展示になっていました。
今年はこのプロジェクトを何処までスケールアップできるかが僕のチャレンジでした。ミッドタウン・デザインハブ、新宿ISETAN、松戸ISETAN、広島三越、新潟ISETAN、仙台三越、いわきラトブ、そして金沢ペーパーショーの会場とけっこう日本中を走り回りました。結果的に24会場と昨年の2倍のスケールで展示販売を開催でき、7つのデパートにも協力して頂けました。更に大小併せて100以上のメディアに紹介して貰えました。
デザインにおける社会貢献の可能性をリアルに感じる事ができました。
ペーパーショーの会場で、はせがわさとしさん、左合ひとみさんと地域デザインに関してのトークショーを行い、夜は金沢ADC年鑑の発刊パーティーに出席しました。まだ立ち上げて2年目なのに、50人近いメンバーがいてパーティーも大盛況でした。金沢ADCの会長、宇野たまこさんを始めとする斉藤慶さん、後藤徹さんたちの人間的魅力が素晴らしいからだと改めて感心しました。
5月30日にやさしいハンカチ展のいわき市駅前・ラトブに行って来ました。被災地の子どもたちに笑顔をプレゼントする、やさしいハンカチ展も半年かけて全国で展示販売してきました。いよいよパート2も、現在開催している福島のいわき市と大阪阪急デパート、最後の金沢で終了です。
ジャグダ福島の代表幹事の星さんや福島のメンバーが、走り回ってこのラトブでの展示販売を実現しました。今日は、ローカルテレビの取材も入りました!星さんお疲れさまです!
この日は、事務局長の大迫さんと絵を描いてくれた楢葉小学校に行ってきました。楢葉は原発事故により、立ち入り禁止区域になっています。町ごと故郷を失った家族は、狭い仮設住宅での生活、子どもたちは遠く離れた場所にあるプレハブ校舎の学校に送迎バスで通っています。
被災地以外では、どんどん東北の情報が薄くなっていますが、こうして訪れてみると被災地の中でも、福島は全く状況が良くなっていないことに胸を痛めます。
絵を描いてくれた4つの小学校に、出来上がったハンカチとそれぞれ100万円以上の寄付金を渡せそうです。これから子どもたちが、寄付金のどんな使い方を考えてくれるのか楽しみです。
とにかく、ハンカチプロジェクトだけでなく、これからもデザインの力を使って全力で被災地支援を続けています。
オーガニックコットン協会は毎年、様々なアーティストにTシャツのデザインを依頼して来ました。昨年、Tシャツが100種類になり、国連大学の地球環境パートナーシッププラザで、4月3日から5月9日まで展示と販売を行うことになりました。展示会場に、4人のアーティストの活動を展示することになり、僕はユニセフ祈りのツリープロジェクトをオーナメントと一緒に展示しました。
また、4月6日土曜日は展示を行なっている4人のアーティストによるトークショーも開催されました。その一人、環境漫画家の本田亮さんは、電通ソーシャルエンジンに在籍されていたそうで並河進さんの先輩にあたる方でした。うーん、世界は繋がっている。
オーガニックコットン協会の活動は、社会でも高く評価されています。協会を牽引しているのが、副理事長の渡邊智惠子さんです。NHKの番組「仕事の流儀」にも出演されたこともあるエネルギッシュで、フレンドリーで、おまけにとてもチャーミングな女性です。少し話をしただけで、ファンになってしまうカリスマ性のある方です。トークショーの後でお話を聞かせていただきましたが、僕のこれからの活動のヒントになることを沢山聞けました。とにかく、僕も頑張らなければ!と言いながら次のアクションを模索中なのです。
3月30日土曜日にHIROSHIMA ADCの審査会に審査員として招待されました。審査会は若い人の素晴らしい熱気に溢れていました。
30年以上前になりますが、僕が広島のデザイン専門学校を卒業した頃には、HIROSHIMA ADCもJAGDA広島もなく、デザイナーとして成り上がるためには故郷を捨てて、東京に行くしかありませんでした。
現在、HIROSHIMA ADC には100人近いメンバーがいて、JAGDA広島も大変に活気があります。審査会は1日かけて、年鑑の掲載作品と各賞を選出します。今年のグランプリは、HIROSHIMA ADCを立ち上げ、それを牽引してきた納島正弘氏が反核ポスターで選ばれました。
各賞が発表される度に大きな歓声と拍手が沸き上がり、広島のデザイン界が健全に成長していると感じて、とても幸せな気持ちになりました。審査会やトークショーでは広島弁で喋りまくりました。やはり僕の遺伝子は、100%ひろしまじゃけんの〜!
日本が豊かになるためには、地域が元気にならなければいけません。これからもデザインで、そのお手伝いが少しでも出来ればと願っています。
3月25日に日本広告制作業協会のクリエイティブセミナーが横浜で開催されました。セミナーのタイトルは「クリエイティブで世界を変える」です。
協会から、僕に講演者を選んで欲しいとリクエストがあり、広告業界を代表するソーシャルプロジェクトを行なっている並河進さんと山名清隆さんにスピーカーとして登壇していただきました。
並河進さんの笑顔の中にあるソーシャルプロジェクトにかける情熱、山名清隆さんの愛妻家協会代表としての感動的なプロジェクトなど来場者の心をしっかり捉えていました。
僕は、著書「クリエイティブで世界を変える」で取材した方々のプロジェクトを紹介しました。当日は90名の広告業界を目指す大学生を中心とした人々が熱心に耳を傾けて話を聞いてくれました。
京都の伝統工芸と現代の技術をマッチングさせて、新しい商品を生み出す取り組みがBRAND NEW KYOTOです。僕は京友禅と気化熱で涼しくなる生地のCOOL COAをマッチングさせて、新しいコンセプトの着物を開発するチームの担当になりました。
何度も京都を訪れてディスカッションを重ねた結果、涼しい夏浴衣を開発する事になりました。浴衣の個性を出すため京友禅の吉川さんが、手間がかかることで珍しくなった無双仕立てを提案されました。無双仕立ては、柄の入った生地に上からもう一枚、オーガンジーを縫い合わせたものです。オーガンジー越しに透けて見える着物の絵柄が、とても上品で高級感があります。
これまで着物の柄として使われていないモチーフ探しを行い、幾つかのデザインを提案をしました。その中から2つのデザインを使って着物を作りました。一つは、写楽の大首絵から特徴的な目だけを取り出してデザインしたもの。もう一つは、悠々と泳ぐマンタをモチーフとしたものです。
このプロジェクトで3つのチームが開発した商品は、3月20日から赤坂サカスの特設会場に展示されました。いや〜、京都はやっぱり、奥深いです。
2月5日に宣伝会議アートディレクター養成講座に講義に行きました。昨年と同様に、永井一史さんと一緒に対談形式で「ソーシャルデザイン」をテーマに話をしました。昨年出版した「クリエイティブで世界を変える」のスライドを中心に話を進め、永井さんがソーシャルデザインを始めたきっかけや実施しているプロジェクトの話をして頂きました。
僕は自分のプロジェクトより、これから社会にとって本質的な価値観を知るために「ソーシャルデザイン」は重要なテーマになることを受講生に伝えました。
永井さんは物静かで余り余計なことは言わない人です。ソーシャルプロジェクトを一緒に行うようになり、やっとジョークを言える仲になりました。とは言え僕が一方的に言ってるだけですけどね。
講義のあと、受講生に誘われて居酒屋で皆の熱い気持ちを聞きました。自分の若い頃を思い出す楽しい時間が過ごせました。
東日本大震災がおきた2011年に、デザインの力で被災地支援を行うプロジェクトをJAGDAに提案しました。協会に2年目も支援を継続させる提案をしました。プロジェクトは、被災地の子どもたち232人が描いた絵を385人のデザイナーがハンカチにデザイン。全国23ヵ所で展示とチャリティ販売を行い、ハンカチと寄付金を子どもたちに手渡します。その際、ワークショップを行ない、被災地が元気になる寄付金の使い方を子どもたちと一緒に考えて、実施までをサポートします。
展覧会は1月15日、ミッドタウン・デザインハブからのスタートです。半年かけて全国で展示・販売します。展覧会は主要な新聞の全てが大きく取り上げてくれました。又、三越、伊勢丹、阪急、大丸など8ヵ所のデパートでも、展示・チャリティ販売して頂けることになり、会員の協力で全国23ヵ所で展示・販売を行います。このプロジェクトで、沢山の地域のJAGDA会員に会うことが出来ました。それだけでも、僕は幸せです。
JAGDAの展覧会が、このように大きな社会的共感を得たことは始めてです。僕がライフワークとして活動している「デザインにおける社会貢献の可能性」は、世の中がそれを必要としている確信が持てました。
今年も参加クリエーターの個性的なオーナメントを持って、4ヵ所の被災地にオーナメントづくりのワークショップに行って来ました。延べ100人のボランティアは、遠く愛媛県から自費で参加してくださった人もいて本当に嬉しかったです。
12月1日・2日は大型バス2台に分かれて、1台は岩手県宮古市と大槌町の子どもたちとのワークショップに行きました。このワークショップには、津波によってお母さんを亡くした父子家庭の親子も多数参加してくださいました。僕も6年前に妻を病気で亡くし、子育てをしているので、その心の寂しさは痛いように理解できました。
もう1台のバスは、宮城県気仙沼の復興屋台村の「きずな広場」にある、ここを襲った津波と同じ高さの8メートルのポールをオーナメントとイルミネーションで飾り付けました。夜に行なった点灯式では、大きな歓声がわき起こりとても感動的でした。
12月9日・10日も大型バス2台に分かれて、宮城県女川町の3つの保育園と小さなお子さんを放射能から守るために、山形県で不便な疎開生活を送っている親子とのワークショップに行って来ました。
今年も昨年と同じ規模でプロジェクトを行う事が出来たのも、皆さんのあたたかい心が沢山集まったからです。改めて、これからの社会で大切な価値を確認することが出来ました。ありがとうございました!
2011年、銀座、有楽町、仙台、気仙沼に誕生した祈りのビッグツリーは、被災地支援あたたかいシンボルになりました。2012年になっても被災地の復興は始まったばかり。我々は今年もプロジェクトを継続させることにしました。
世話人の永井一史さん、並河進さんと日本ユニセフで今年のミッションに関して話し合いました。その結果、昨年と同じシステムでプロジェクトを実施することになりました。ただし、心の支援を中心とするため、オーナメントのチャリティ募金は行わないことにしました。2012年は、1200人のクリエーターに参加を呼びかけました。参加クリエーターには、1人に2つのオーナメントを制作して貰いました。皆さんの協力で今年も個性豊かな素晴らしいオーナメントが集まりました。
11月3日の有楽町ロフトを皮切りに、銀座三越、松屋銀座、ルミネ有楽町、資生堂ザ・ギンザ、仙台三越、仙台ロフト、仙台長町ロフト、盛岡ロフト、秋田ロフトの協力により、10ヶ所のお店に祈りのビッグツリーが登場しました。
今年も昨年と同様に29人のトップクリエーターに呼びかけ人として、プロジェクトをバックアップして頂きました。プロジェクトを支えてくださった皆さまありがとうございました!
「クリエイティブで世界を変える」の最終的な編集作業を行っている最中に、18人のチェンジメーカーからの素晴らしい学びを書籍として出版するだけでは゛もったいない゛と考えるようになりました。
紙の上の知識としてだけではなく、18人のプロジェクトの成果物やメッセージを直接肌で感じ、より深く理解してもらうためには展覧会が良いと思いました。
僕が事務局長をやっている東北支援・ユニセフ祈りのツリープロジェクトに100円以上の寄付をした人は、3つまでのプロジェクトのテキストをもちかえることのできる展覧会を企画しました。
展示には、メッセージ性のある風景にするために、産業廃棄物から新たなモノの価値を生み出す取り組みを行なっている「モノ:ファクトリー」ナカダイの全面的な協力を得て、18個の展示台を18種類の産業廃棄物で制作しました。
急遽決めた展覧会だったので、協力スポンサーを探す暇もなく、「クリエイティブで世界を変える」で得られる執筆料とデザイン料を全て投じて開催にこぎつけました。
展覧会は11月22日から12月26日まで行なっています。
11月16日、人生初の著書が六耀社から発刊になりました。今年の始めに旧友の佐藤良仁さんから、ソーシャルデザインの本を一緒に書かないかと相談がありました。ちょうど僕も、海外の事例集は沢山あるのに日本人のソーシャルプロジェクト事例集がないので、そうした書籍を出したいと考えているところでした。
渡りに船の提案に、話はトントン拍子に進み5月から半年かけて、「クリエイティブの力を有効に使った、18人の日本人チェンジメーカー」に逢いに行く旅が始まりました。一般的な勉強が嫌いで、デザイナーになった僕が大量の文章を書くのだから、いろいろと苦労はありましたが、取材を通して、その何十倍もの素晴らしい出逢いと学びがこの旅にはありました。
高知まで、梅原真さんに逢いに行きました。台風の中、伊賀の山奥に山崎亮さんに逢いに行きました。18人全ての方から、問題を抱えている世界が必要とする活動やメッセージを教えてもらいました。
佐藤良仁さん、鈴木淳さん、六耀社の小川和久さんにも感謝です。
11月13日に、アートビリティ作家の大志田洋子さん、星野祥代さん、アートディレクターの長嶋りかこさん、天宅正さんの四人に加えて、僕の司会でトークイベントを行いました。
参加者を集めるために、いろいろと苦労しましたが、当日は立ち見も有るほどお客さんが集まりホット一安心。
長嶋さんは、お母さんがずっと障害者の施設で働いていたそうです。星野さんは、弱視のハンディキャップがあるけど色を感じることは出来るので、小さい頃から色に関して特別な感性があったそうです。
神は何かを奪っても、別の何かを与えてくれていることを感じました。
ハンディキャップがあろうがなかろうが、想像力を働かせて表現することにおいては、アートビリティ作家もデザイナーも同じ仕事なんだなぁと思いました。
10月30日からアートビリティ作家とjagda新人賞デザイナーのコラボレーション展がスタートしました。
障害者アートライブラリー「アートビリティ」を知ったのは、15年も前のことでした。
その作家の個性やシステム、活動の意義は素晴らしいものでしたが、まだまだ使用例が少ない問題を抱えていました。
数年前から、ソーシャルデザインをライフワークとし、「アートビリティ」をもっと多くの人に知ってもらうために、美術大学に「押し掛け出前講義」を始めました。
今年7月、「アートビリティ」の作家の絵を使って欲しいデザイナー、編集者に最も発信力のあるリクルートのクリエイションギャラリーG8の小高さんに「ハンディキャップアーチストとグラフィックデザイナーのコラボレーション展」の開催をお願いに行きました。
何度かのギャラリーとの打ち合わせの結果、JAGDA新人賞作家10名とアートビリティ作家のコラボレーションポスター、ブックカバーそれから、チャリティ原画展を開催することになりました。
原画の魅力は十分に理解していましたが、ちゃんと額装をして、美しいギャラリーに展示された絵はまさに、可愛い娘に良い着物を着せて、それにふさわしい場所で晴れ姿をみる父親の感動がありました。
小高さん、羽鳥さん始めギャラリーの方に本当に感謝です。
オープニングには、ハンディキャップアーチストや家族の方も沢山駆けつけてくださりました。特に家族の方が、喜んでいらっしる姿を見て、「あぁ、この展覧会を企画して良かった」と感じました。
8月2日からギンザ・グラフィック・ギャラリーで、過去10回の世界ポスタートリエンナーレトヤマの受賞作品展が始まりました。今回のグランプリの受賞で、歴代の受賞作品の中に僕のポスターも仲間入りすることが出来ました。トヤマが始まった初期の頃は僕もまだ若く、富山県立近代美術館で受賞作品を食い入るように眺めて、どんな表現が評価されるのか一生懸命に読みとろうとしたことを思い出しました。
ギャラリーで改めて凄いと感じたポスターは、サイトウマコトさんのヴァージン、戸田正寿さんのVIVRE21、佐藤晃一さんの音楽座は、いま見ても刺激的な作品です。僕がこれから努力しても追いつける気がしません。三人の造形力は、理屈や計算では絶対生まれないと感じます。デザインにアートという言葉を使うのは、好きではないけど三人の作品は、ポスターアートと呼ぶしか無い作品だと思います。
それと会場にはないけど、永井一正さんのポスタートリエンナーレトヤマのための応募と展覧会のポスターも狂っているほど凄い。特に2003、2006年のポスターは鳥肌が立ちます。海外の作家のポスターも素晴らしいけど、鳥肌が立つ作品はありません。四人の日本の巨人たちは、いったい何が違うのだろう…。
ポスターはメディアとしての力は失ってしまったが、デザイナーの作家性、造形力、アイデアの力を競うためには依然として魅力的な表現手段であることには変わりないと感じました。
世界ポスタートリエンナーレトヤマでグランプリを受賞したことを、幾つかの新聞で紹介して頂きました。
僕が教えている東京工芸大学デザイン学科の本拠地が神奈川県厚木市にあります。厚木市長の小林常良さんから会いたいと連絡があり、7月24日に表敬訪問に行って来ました。
厚木市長から元気と書いてあるクリスタルの楯を頂きました。デザインはビミョーですが、スポーツ以外でこれを頂いたのは僕が初めてだそうです。とても名誉なことなので、元気を大切にしたいと思っています。
最後に市長から、「ポスターで世界一になりましたが、次の福島さんの目標は?」と聞かれて「そうですね〜。ノーベル平和賞ですかね。」と答えたら、市長を始め周りの職員も一緒に椅子から落ちそうなくらいズッコケていました。僕はいたって真面目で、それくらいな気持ちがなければソーシャルデザインで世界を変えることは出来ないと思っていますからね。でも、市長は冗談だと思われたようです。ノーベル賞は、人間に与えられる賞なので、人類であれば全ての人に可能性がありますからね。
7月11、12日と17、18日の4日間に渡って福島、宮城、岩手の小学校へワークショップに行ってきました。
JAGDAハンカチプロジェクト・パート2は、被災地の子供たちに色々な絵を描いてもらい、その絵を使ってデザイナーがハンカチデザインを行う、被災地の子供とグラフィックデザイナーのコラボレーション企画です。
昨年はソーシャルプロジェクトの経験が余りなかったので、デザイナーが作ったハンカチをプレゼントすることしか考えられませんでした。一年間勉強したことで、より被災地の子どもたちに寄り添った企画にできたと思っています。
出来上がったハンカチは全国のデパートなどで、展示とチャリティ販売を行います。一人の子どもに一人のデザイナーが担当し、絵を描いてくれた子どもたち全員に自分の絵を使ったハンカチをプレゼントします。
さらに、ハンカチをチャリティ販売した利益を全て寄付します。その際、たんにお金を寄付するのではなく、もう一度ワークショップを開いて、被災地の未来や地域の人が笑顔になる使い方を子どもたちと一緒に考えます。
例えば、福島ならバスをチャーターして全校生徒を放射能の無い所まで連れて行って、思いっきり外遊びに招待するとか、自分たちのハンカチを沢山印刷して町の人々にプレゼントして元気になってもらうなどが考えられます。
被災地の子どもたちが、自分たちが中心になって社会にメッセージを発信して、自分たちのアイデアでみんなを笑顔にします。グラフィックデザインの力でそのお手伝いをするプロジェクトです。
被災地のJAGDA会員が中心となって、自分の県の子どもたちとのワークショップを行いました。東北地区の会員も応援に駆けつけてくれました。子どもたちに、この絵がハンカチになって来年プレゼントするからね。と説明すると「すごーい。」とか「早く欲しい。」と言った声があがっていました。
6月21日に多摩美術大学、7月19日には東京造形大学に押しかけ出前講義に行って来ました。この出前講義は頼まれてもいないのに、こちらから無理矢理お願いをして美術大学のデザイン学科で、講義をさせて頂く強引なプロジェクトです。
この講義の目的は2つあって、一つは世界の大きな潮流になりつつあるソーシャルデザインの必要性と可能性をデザインを学ぶ美大生にどーしても知って欲しいと思っていること。もう一つは、僕が活動支援をしている障害者アートライブラリー「アートビリティ」の存在と作家の魅力を知ってもらいたいからです。「アートビリティ」は福祉の世界では有名ですが、グラフィックデザインや広告業界では、ほとんど知られていないのです。
そこで、数年後にはプロのデザイナーとなってイラストを使う仕事につく、美大生に作家の魅力とこの団体の活動意義を伝えます。それから、僕が制作したパンフレットを一人一人に手渡して、将来アートビリティの作家を仕事で起用してもらい、ハンディキャップを持った作家に、社会参加のチャンスを生み出すことが目的です。
今年も多摩美術大学の澤田泰廣先生、東京造形大学の福田秀之先生お世話になりました!
3年に一回、富山県立近代美術館で開催される、第10回世界ポスタートリエンナーレトヤマで、日本人初のグランプリを授賞しました。
第3回に初めて入選して、嬉しくて富山まで出かけたのが、21年前のことでした。美術館のメインホールは、入選したポスターで溢れていました。世界的なポスター作家達の作品と比べて、自分のポスターがとても貧弱に見えました。世界との差を見せつけられて、とてもショックを受けました。あの中に入っても堂々と肩を並べられるポスターを創りたいと考え、制作に取り組むようになりました。それから、メキシコ国際ポスタービエンナーレで、金賞の授賞を始め海外で幾つかの賞を貰えました。しかし、自国開催の世界一のポスターコンペで、一度は賞が欲しいと毎回チャレンジをしていました。
先日、永井一正先生から電話で授賞の知らせを聞きました。最初、このタイミングでの知らせだから、トヤマで銅賞が貰えたと想像して喜びました。しかし、永井先生の話を最後まで聞くと銅賞どころか、グランプリだったのです。それも日本人がグランプリを授賞したのは、過去10回の歴史で初めてだと知り、二度ビックリしました。
今回のトヤマで3つの作品が入選し、全て劇団山の手事情社の公演用ポスターでした。劇団山の手事情との仕事は、すでに20年以上になります。今回の授賞作品は、ルーマニアの演劇フェスティバルに招待公演された際の告知ポスターです。ソフォクレスのギリシャ悲劇、オイディプス王の苦悩を山の手事情社独自の解釈と演出で上演する現代劇でした。これ迄、浅葉克己さん、永井一正さん、佐藤晃一さんなど日本を代表する作家から、沢山のアドバイスを頂いてきました。本当に感謝しています。ありがとうございました!
4月4日〜10日まで、新宿ISETANの7階催事場で、日本繁昌大展覧会が開かれました。これはISETAN三越ホールディングが、東日本大震災の復興支援プロジェクトとして企画したものです。昭和、平成と日本を元気にしてくれた20人のアニメや漫画のヒーローを使って、20人のクリエイターが日本を元気にする゛未来広告゛をテーマとしてポスターを制作しました。月光仮面からウルトラマンゼロ、あしたのジョー、ガンダム、ポケモンまでその時代を彩ったヒーローたちを浅葉克己、佐藤卓、箭内道彦、服部一成と言った豪華な顔ぶれのデザイナーが未来広告を表現しました。
僕は矢口高雄の釣りキチ三平を使って、゛Turikichi Sanpei Project゛を提案しました。日本中でスポーツフィッシングを楽しむ人達は、一年間に何十億匹もの魚を釣り上げると思います。そこで魚を一匹釣るごとに、一円の寄付をして、日本の豊かな自然を守るために使うプロジェクトの未来広告を制作しました。
会場では、この未来広告のポスター以外に、資生堂・北原照久のポスターコレクションも展示されました。この未来広告ポスターは、新宿ISETAN 、日本橋三越、銀座三越のショーウィンドウ20面を使っての展示もされました。僕の釣りキチ三平プロジェクトのポスターは、日本橋三越のショーウィンドウを飾りました。
入場料は、お客さんの好きな金額を募金箱に入れるスタイルで、祈りのツリーの募金システムを参考にしていただいたそうです。また、ポスターやポストカードもチャリティ販売され収益金は震災孤児を支援しているあしなが育英会に寄付されるそうです。
震災から一年がたち、震災関連のニュースは激減しています。しかし、被災地は沢山の支援を必要としています。僕たちに出来ることは、まだまだいっぱいあります。みんながもう一度支援プロジェクトに参加したくなるような、チャーミングな企画を考えて実行しなければならないと思います。
ミッドタウン・デザインハブで、「信じられるデザイン」展に参加しました。この禅問答のような問いかけに、51人のクリエーターが答えました。文字中心の展示で、いつものハブの展覧会に比べると見た目は地味でした。しかし、このようなデザインとは何か!を考えることが重要な節目の時代になっています。そうした意味でも、有意義な企画だと感じました。
僕の答えは、「嘘を知ること。嘘をつかないこと。」と題してfacebookを答えにしました。その理由として「人類は20世紀の経済活動により、地球環境の危機的状況や社会的格差など様々な問題を生み出しました。資本主義の中で必要とされたデザインを、デザイナーは違う視点から見つめ直さなければならない時代に入っていると思います。たとえばブータンのGNH(国民総幸福量)宣言に代表されるように、豊かさの本質をもう一度問い直したり、デザインの評価基準を新たに定義し直す必要があると感じています。クライアントのニーズだけではなく、社会や未来が必要としているデザインとは何かを見つめる眼差しが大切だと思います。これ迄のメディアは、限られた情報しか伝えることが出来ませんでした。時には歪められて伝えられることもありました。
人類が抱える問題をデザインの力で少しでも解決に導くために、より多くの情報の中から質の高い情報を選び、自ら判断し、知性のある行動をする必要があります。そのために、ソーシャルメディアの出現は画期的な出来事でした。エジプトの政治を『Facebook』が変えたように、「信じられるデザイン」とは、社会の中にある嘘を知り、一人一人が責任をもって考え、嘘のないデザインを生み出すことです。」と解説を着けました。
参加者の回答は実に多様で、ポルシェや自分の仕事をあげる方もいました。その中で、廣村正彰さんは、「手紙」と答えを出されていて、解説を読んでみて深く頷きました。
デザイン誌ブレーンの青山デザイン会議、3.11から1年、支援活動を振り返る対談に参加しました。被災者の方々に対して自分たちができることは何なのか?をテーマに、石巻工房で被災地支援を行なっている建築家の芦沢啓治さん、日本ロレアルの副社長井村牧さん、ベネッセコーポレーション・教育事業本部部長の橋本英知さんの四人で話し合いました。
芦沢さんは、アクシスの勉強会で面識があり、気取らない人柄が石巻の人々に愛されています。ロレアルは、特別に「美容師のちから」と題してビューティバスをつくり、被災地を巡回して、女性に美しくなって貰い内面から元気なるプロジェクトを行なっているそうです。ベネッセは、子供たちが大好きなしまじろうが、被災地をまわるイベントを出来る限り開催して、笑顔をプレゼント。その他にも様々な教育支援を行なっているそうです。
今回の対談を終えて学んだことは、企業のCSRがより意義のあるものへと変化していることです。ただ寄付をすることで終わる社会貢献ではなく、その企業でなければ出来ないことやこれ迄培ってきた技術を生かした社会貢献のカタチを模索しています。表面的ではなく、何が必要とされているのか、何をしてあげることが大切なのかを社員としてだけでは無く、人として深く考えて活動を行なっていく時代になっています。僕達ソーシャルデザインを実践する人も、もっともっと勉強して活動しなければ成らないこと心に命じました。
3月14日に日本広告制作協会のクリエイティブフォーラムで講演して来ました。テーマは「ソーシャルコミュニケーションの明日」で、3人のスピーカーが招待されていました。
ACジャパンの草川衛氏は「ポポポポーンの記憶」と題して、東日本大震災におけるACが果たした役割と問題点について分かりやすく解説をされました。もう一人は、博報堂ユニバーサルデザイン所長の井上滋樹氏。商品やサービスを開発する際にユニバーサルデザインを避けて通れない時代になっていることを語られ、ユニバーサルデザインは究極の顧客指向デザインであり、新たなビジネスチャンスでもあることを教えてくださいました。
僕は祈りのツリープロジェクトを中心に、日本が幸福度の高い国になるため、ソーシャルデザインの必要性を色々な方のプロジェクトを紹介しながら、熱く、熱く語りました。
オーディエンスは全体的に年齢層が高めだろうと思っていたら、若い人が沢山参加されていました。後で聞いてみると一般大学の広告研究部の学生が、参加していたそうです。さして頭の良くない、体育会系人間の僕に出来ることは、出来る限り多くの人にソーシャルデザインの必要性を語り続けることだと思っています。昔の僧侶が、日本全国の村々を行脚しながら命がけで仏教を説いて廻ったように、ひた向きに説法を続けるつもりです。 知的な話し方は出来なくても、必死な思いは人の心に届くと信じています。
ミッドタウン・デザインハブで、クリエーターが制作したオーナメント1200個の展覧会を開催しました。全部のオーナメントが集まるとなかなか壮大です。プロジェクトでは、当初展覧会の予定はありませんでした。都内の祈りのビッグツリーに展示してあるオーナメントは、展示が終わったらお役ご免になってしまいます。このプロジェクトのヒーローたちに、最後の晴れ舞台を与えてあげたい。そんな思いから、展覧会の会場探しが始まりました。呼びかけ人の廣村正彰さんのお陰で、この素晴らしい会場で展覧会を行うことが決まりました。
最終日に世話人3人によるトークショーとオーナメントを作家に返却するフェアエルパーティーを企画しました。果たして皆が集まってくれるのか心配していましたが、トークショーには100人近い人が集まってくれました。嬉しいことに、フェアエルパーティーにも150人近い人が集まってくれました。
一緒に被災地へ行った懐かしい人も沢山参加してくれ、「これからもプロジェクトを継続させて欲しい。」「今年のクリスマスに、また子供達に会いに行きましょう。」と皆さんから言われました。
被災地支援は継続が何より大切です。祈りのツリーもJAGDA のハンカチプロジェクトも絶対に今年も継続させることを胸に誓いました。トークショーでは、政治家には期待しない、世界を変えるのは我々です。なーんて大きなことを言いましたが、僕は本気で信じています。皆さん、本当にありがとう!そして、今年もやりましょう!
1月31日に宣伝会議のアートディレクター養成講座で、永井一史さんと祈りのツリーを中心に、デザインにおける社会貢献の可能性について講義をして来ました。受講生は、50名。ほとんどの人は、すでにプロのクリエーターとして働いています。僕も30年前に、少しでも広告のことを知りたくて、藁をも掴む気持ちで、なけなしのお金をはたいて受講したことがありました。その頃は、まだコピーライター養成講座しかなく、コピーライターの卵に混ざって必死に一般コースへ通っていました。沢山の講師の中に、天野祐吉さんがいらして、日本の広告界の未来のために私財を投じて、広告批評を出版する話を伺いました。正しい批評のない業界は、社会に文化として認めてもらえない!だからこそ私は、自分の人生をかけて広告批評と言う雑誌を出版するのです。僕の胸に深く、深く刻み込まれた講義でした。僕も、人生をかけてデザインにおける社会貢献の可能性を探求するつもりです。講義はいつものように、障害者アートライヴラリー・アートビリティの話から始めました。永井さんのソーシャルデザインの話も興味深く伺いました。永井さんとは、選ぶ言葉は違っていても、深いところで繋がっていることを改めて感じました。
皆さんのお陰でこのプロジェクトのゴールでもある、
被災地の子供達とのクリスマス会を行なう日を迎えることが出来ました。
岩手ツアーよりスタートして、宮城、福島ツアーと行って来ました。
12月4日、5日の岩手は世話人の永井一史さん、並河進さんと一緒でした。
次の祈りのツリープロジェクトの話を夜遅くまで語り合いました。
12月11日、12日の福島ツアーは佐藤可士和さんも小さい子供を持つ父親として参加してくれました。
夜、可士和さんとデザインに対する色々な話をすることができ、
ソーシャルデザインの可能性に関していくつかのヒントを得ることができました。
持って行ったツリーに、クリエーターの作ったオーナメントと
クリスマス会のワークショップで作った園児達のオーナメントを飾り付け、
協賛企業のプレゼントもたくさん渡して来ました。
ボランティアで参加した人も口々に、
子供達にプレゼントをしに来たのに自分がこんなに
幸せな気持ちになるなんて、びっくりしたと語ってくれました。
東京工芸大学の学生もたくさん参加してくれ、
大学の授業では教えることができない
貴重な体験ができたと笑顔で話してくれました。
僕が行った幼稚園は、子供達から手作りメダルや唄のプレゼントを貰い、
大感激なシーンもありました。
ツアーには、100人のボランティアが参加して、
1000人の子供達に笑顔をプレゼントすることが出来ました。
子供達の多くは、家を流されたり、肉親を失ったり、
放射能によって故郷を離れたりしているのに、
ともかく明るく、無邪気で元気でした。
沿岸部の被災地は、瓦礫だけは撤去されていましたが、
家の土台だけの風景が延々と続き、
冬の訪れを告げる粉雪が静かに舞い降りていました。
福島の園児達は室内に居るときにもマスクを付けていました。
復興支援はこれからが大切なんだと肌で感じて来ました。
今回、こうして子供達とのクリスマス会を無事に終えることが出来たのも、
皆様の協力のお陰だと本当に感謝しています。
プロジェクトに協力して頂き、ありがとうございました。
7月1日にユニセフでキックオフミーティングを行なってから、参加者2000人を集める為に、必死になって走り回りました。
こうしたプロジェクトは、過去に事例が無いので出来ることは全てやると決めました。
多摩美はグラフィックと情報デザイン、造形大、武蔵美 、女子美、そして工芸大と押しかけ出前講義をお願いして、500人以上の美大生に直接参加を呼びかけました。
又、デザイン関係の知人200人をリストアップして、企画の趣旨を伝えて協力を呼びかけました。
ブレーンにも2度目の告知をお願いしました。
佐野勝彦さんの協力で、素晴らしい専用サイトが立ち上がり、
博報堂の小杉幸一くんのお陰でプロジェクトの象徴となるポスターが出来上がりました。
やるべきことは、全てやった!
2000人を集める自信はあったけど、とても不安でした。
サイトが立ち上がり、1日200人以上の申し込みがあって、2週間で目標の2000人に達しました。
締め切ってからも、問い合わせが沢山ありました。
目標が達成されちょっと、 ほっとしました。
次は、オーナメントを飾るショップ探しでした。
廣村正彰さんと細川直哉さんに協力していただき、
なんと!声をかけた全てのショップの協力を得ることが出来ました。
銀座三越、松屋銀座、資生堂ザ・ギンザ、ルミネ有楽町、有楽町ロフト、そして仙台三越、ロフト、気仙沼復興屋台村にも祈りのビッグツリーが展示されることになりました。
三越はオーナメント400個が飾られた高さ5メートルのツリー、気仙沼は高さ8メートルのツリーが出現してNHKを始め多くのメディアが取り上げてくれました。
参加や協力して頂いた方には本当に感謝です。
僕の人生で、こんなにたくさん頭をさげたことも無いし、こんなにたくさん感謝したのも始めてです。
これ迄手がけたキャンペーンの10倍以上大変でした。疲れた〜。
しかし、プロジェクトのゴールは被災地の子供達とのクリスマス会です。
もうひと頑張り!
ユニセフ祈りのツリープロジェクトと同時に、
デザインの力を使ったプロジェクトの企画書をJAGDAに提案しました。
事務局長の大迫さんと一緒に具体的なプロジェクトに仕上げて、JAGDA東北復興支援チャリティ やさしいハンカチ展がスタートしました。
JAGDAの会員が、デザインしたハンカチを一枚1500円で販売します。
買って頂いた同じデザインのハンカチが、被災地の子供達に一枚プレゼントされる仕組みになっています。
勿論、デザインや運営費はボランティアです。
ハンカチ展は出来る限り、沢山買っていただかなければいけません。
しかし、なかなか一般の人が購入できる販売会場が決まりませんでした。
ミッドタウンは、消防法が邪魔して実現が難しく、諦めざるを得ませんでした。
僕自身の全てのコネクションを使って、日本橋高島屋での展示販売が決まりました。
さすがに日本橋高島屋のブランド力で、朝日新聞を始め
数社の取材やテレビのワイドショーも取り上げてくれました。
ミッドタウン・デザインハブでも、586枚全てのハンカチが展示販売されました。
なかなか見応えのある展示になっていました。
こうしたプロジェクトで何より大切なことは、
デザインの力が少しでも被災地支援になっていることだと思います。
ミッドタウンのトークショーのテーマは、゛デザインが日本を元気に、笑顔にする。゛です。
トークショーは、10月29日に行いました。
登壇者は、佐藤可士和さん、永井一史さん、僕は司会進行役です。
さすがにスターデザイナー2人の話を聞けるとあって、あっという間に250人の予約で埋まりました。
このトークショーは僕が提案したもので、目的はJAGDAのチャリティーハンカチ展とユニセフ祈りのツリーを一人でも多くの人に知って貰うことでした。
震災支援をデザインの力を使ってどれだけ出来るのか?
その答えを知るため、僕に出来ることは全てやると決めたからです。
可士和さんも永井さんもデザインにおける社会貢献について、深い考えを持っていて沢山のヒントを得ることが出来ました。
台湾に行って来ました。
国際ポスターコンペの審査員は初めての経験です。
応募作品のほとんどは台湾や中国のものでしたが、
一昔前よりかなりレベルがあがっていると感じました。
但し、直ぐに模倣をしていると判るものも、まだ沢山ありました。
ニュースで中国において、ディズニーや日本のキャラクターをコピーする事に対する意識が低い事が、
デザインの世界でも同じように有ることがわかりました。
今回の国際審査員はドイツ、アルゼンチン、日本、台湾の4ヶ国でしたが、審査でも国民性が現れてなかなか面白かったです。
ドイツ人は主張が強く、ややルールを無視しても自分の考えを通そうとするし、
アルゼンチンの人はジョークが好きで、気分屋さんでラテンの血を濃く感じました。
東洋人は僕も含めて、予想通り調和を大切にしていました。
台湾は今年、デザインイヤーで三つの国際デザイン会議やデザインに関するイベントが沢山行われています。
僕が講演を行なったデザインフェスタも物凄く広い会場で、
平日なのに一般の市民で凄く賑わっていて、デザインに対する盛り上がりにちょっとビックリでした。
5日間の旅でしたが、初めての国は、やはり楽しい経験が沢山ありました。
追伸:女の子がとても可愛いかったです。
ブレーン10月号で5人のトップデザイナーのオーナメントが紹介されました。
まだ形になっていないプロジェクトを二度に渡って紹介してもらえるのは異例のことです。編集部の刀田さんのおかげです。感謝いたします。
ついに、ユニセフ祈りのツリープロジェクトの専用サイトが9月10日に開設されました。
このサイトでは、リアルオーナメント制作の参加登録だけでなく、オンライン上でもオーナメント作りが出来るようになっています。
リアルオーナメントと同じの五種類デザインの中から好きなモノを選んで、ツールを使って自由にオーナメント作りが出来ます。
名前を付けてアップすれば、一回10円のチャリティー募金になります。
金額は少ないけど、サイト版のオーナメントも、ちゃんと被災地の子供達の笑顔に繋がっています。
オンラインのオーナメントはアップされた全てのオーナメントを閲覧する事が出来ます。又、Twitterやfacebookに跳べて作者のメッセージを見ることも出来ます。
海外からの参加やリアルオーナメントはちょっとハードルが高いナァと感じる人にはぴったりの設計になっています。
でも、主役はリアルオーナメントです。サイトにアクセスすれば、プロジェクトの全てがわかるようになっています。
このプロジェクトのゴールは、みんなの想いの詰まったオーナメントを被災地の子供達に届けて、楽しいクリスマス会を開いき沢山の笑顔をプレゼントすることです。
登録するだけで、無料でオーナメントキットが送られて来ます。
それをベースに自由にオーナメントを制作してください。
4月にプロジェクトをスタートさせて、毎日のように走り回ってやっとここまでたどり着きました。
しかし、プロジェクトはスタートしたばかりです。
参加者2000人を目指してますので、アナタも是非オーナメント作りに参加してください!
専用サイトでの参加登録は、9月10日から10月10日迄の1ヶ月間です。
リアルオーナメント制作はこちらからです。http://www.inoritree.com
オンラインのオーナメント制作はこちらからです。http://www.inoritree.com/online
今週の月曜日には、我が東京工芸大学で三回目のデザインにおける社会貢献の可能性゛デザインと幸福゛の講義を行いました。
今日7月14日は、東京造形大学の福田秀之さんの生徒70人に講義を行なって来ました。
造形大に行くのは始めてでしたが、とても緑豊かな環境にキャンパスのある素敵な大学でした。
講義は三時間、最初の70分は゛福島治の人生劇場゛で僕自身が若い頃クリエーターとして成長するために、行なった独自の特訓方法を中心に、自分に自信を持てない学生を励ます話をしました。
次の70分は゛デザインと幸福゛でやっと原稿を見ずに話せるようになりました。
最後の20分で、ユニセフ 祈りのツリープロジェクトへの参加を熱く呼びかけをして終了。
造形大のみんな!三時間もの長い話を最後までちゃんと聞いてくれて感謝、感謝です。
8年ぶりに富山ADCの審査会に行って来ました。
久しぶりに逢う富山ADCの方々は、優しい笑顔で審査員を迎えて下さいました。東京からの審査員は、古平正義さん、関本明子さんと僕の三人。
富山からは富山ポスタートリエンナーレをずっと牽引してきた富山県立近代美術館の副館長 片岸昭二さんの四人が審査員を務めました。
富山ADCの成功によって、札幌ADC、広島ADC、新潟ADCが設立され金沢も準備しているそうです。
これからの時代は東京だけではなく、地域の文化や個性が絶対必要です。地方が元気に成るためには、全国組織の JAGDAも大切ですが、地域の自主的な運営が必要不可欠です。
富山のそうした取り組みが、優秀なデザイナーを数多く生み出しました。
今回の審査のグランプリは、「ファインネクス」堀川勇&山口久美子さんのテレビCMと新聞広告に決まりました。
富山ADC賞に、宮田裕美詠さんの作品が3作品も選ばれました。
宮田さんは個性的な表現だけではなく、プロのデザイナーとしてもすばらしい成長をされていると感じました。
審査員特別賞の福島チョイスは「TEIAN INTERIOR」の雑誌広告を選びました。
後で知ったのですが、デザイナーは我が愛すべき友人のはせがわさとしさんでした。
富山に行く度にメンバーの暖かいもてなしをうけて、本当に幸せな気持ちで東京に帰って来る事ができます。
メンバーのみなさま、ありがとうございました。
いよいよ押しかけ出前講義がスタートしました。
2年前にチェンジメーカー(社会起業家)と言う言葉に出会い、自分の仕事やデザインに対する考え方を見直すことにしました。
十数年前に知りあった障害者アートライブラリー゛アートビリティ゛の支援を模索するため、一年前から再び活動に参加しました。
その中でアートビリティが、まだまだデザインや編集業界に知られていないことがわかりました。
こうした社会福祉法人はPRの予算が殆どありません。
そこで、美術大学でデザインを学ぶ若者に出前講義に行き、゛デザインにおける社会貢献の可能性゛の話とアートビリティの作家の魅力を伝えることを思いつきました。
半年かけて原稿を書き、十数回リハーサルを繰り返して準備をしました。そして今日が最初の講義でした。
多摩美の澤田泰廣さんにお願いして、グラフィック科の生徒80人に講義を行なう時間を貰いました。
笑いの無い真面目な内容なので、退屈するのではと心配していましたが、みんな最後まで集中して聴いてくれました。本当にありがとう、感謝です。
今日は二回目の出前授業です。
この講義は頼まれてもいないのに、こちらから勝手にお願いして出かけていく名付けて゛押しかけ出前講義゛です。
アートビリティの支援の目的で思いついた講義ですが、準備している最中に東日本大震災が起きした。
僕もデザインの力を使って何かアクションしなければと思い、企画書を書き、永井一史さん並河 進さんのお陰で゛ユニセフ 祈りのツリー゛プロジェクトが生まれました。
押しかけ出前講義にユニセフ 祈りのツリープロジェクトの参加募集の呼びかけも入れました。
今日は多摩美の情報デザイン科の生徒80人に講義を行なって来ました。
講義はAXIS編集長であり、JAGDA展覧会の委員長も勤めている宮崎光弘さんの生徒です。
宮崎さんには、オーナメントのデザインが素敵なので、このプロジェクトの成功を確信しましたと励ましの言葉を頂きました。
オーナメントのデザイン担当の博報堂プロダクツ内田成威さん、吉田哲んありがとう!
震災直後に書いた2つの企画書が、プロジェクトとしてスタートしました!!
3月11日に東日本大震災が発生しました。
震災直後から沢山の人が支援のためのアクションを起こしました。
僕もデザインの職能を活かした復興支援ができないかと考えました。
医者、食品メーカー、衣料メーカーは直ぐに支援を開始しました。ミュージシャンも沢山のチャリティーコンサートを開催しました。
我々、デザイナーは即興で芸を披露する職能ではありません。
データを検討しゴールを設定して、企画を練り、デザインしてメディアを通じてコミュニケーションします。それなりに時間がかかるのです。
震災から二週後に、2つの企画書を書きました。
それを何人かのソーシャルコミュニケーションの専門家に見せながら手直しをしました。
“JAGDAハンカチ展”
1つの企画書はJAGDAに提案しました。
リクルートで毎年チャリティーデザイン展の経験豊富な事務局長・大迫修三さんが、ハンカチが良いのではとアイデアを出してくれ“JAGDAハンカチ展”として実施されることになりました。
“ユニセフ祈りのツリー”プロジェクト
もう1つの企画書を持って、HAKUHODO DESIGNの永井一史さんと電通ソーシャルソリューション局の並河 進さんに相談に行き“ユニセフ 祈りのツリー”プロジェクトが誕生しました。
永井一史さんは、僕の企画書にあったデザインの力を生かして被災地の子供達にクリスマスプレゼント提供する!をオーナメントデザインといった素晴らしいアイデアにして提案してくれました。
並河 進さんは、ユニセフとの橋渡しをしてくれ、被災地の幼稚園でオーナメントづくりのワークショップを行う提案をしてくれました。
このプロジェクトを広告、グラフィックデザインや美大生といった多くの若者に参加してもらうために、27名のトップクリエイターに呼びかけ人になって頂きました。阿字地睦、上田壮一、内田成威、えぐちりか、川口清勝、キュー・リーメイ・ジュリア、小杉幸一、佐藤可士和、佐野勝彦、佐野研二郎、澤田泰廣、丹野英之、戸田宏一郎、永井一史、中嶋貴久、長嶋りかこ、並河 進、平林奈緒美、廣村正彰、福井崇人、福島 治、福田秀之、細川直哉、松下 計、水野 学、森本千絵、吉田 哲さんです。
プロジェクトの概要は、参加してもらったクリエイターには、事務局で用意した白い紙製のオーナメント3個に自由に装飾を施してもらいます。
1つは祈りのビックツリーに展示、1つはチャリティー販売、1つは被災地の子供達へのプレゼントに使います。
詳しくは、8月1日発売のブレーンでお伝えします。